厳冬、ピンと張り詰めた空気の中で杜氏が仕込タンクの中を覗き込んでいる。
モロミは健全に醗酵しているか?おかしな表情をしてはいないか?・・・
醗酵が進みすぎたら雪を抱かせる、逆に冷え込んだら暖気をいれて風邪をひかせないように気を使う。
日本酒は微生物の非常に繊細な働きによってその素性を良くも悪くもしてしまう。
「いい酒に育ってくれよ」
杜氏が話しかける・・・・・。
昔は冷水をつくる機械などは存在せず、外気の温度条件が酒造りに大きな影響を与えていました。
今は設備がある程度は酒造りの環境を整えてくれ、三季醸造・四季醸造の蔵もあります。
酒造りのポイントの一つは醗酵をコントロールする温度調整にあり、中でも絶妙のタイミングを要する仕込タンクではその温度調整が一番の難関とされていました。従来では二重タンクの外側に冷水や氷を入れて冷やすなどの方式が取られていますが冷水の交換の労力が大変なうえ、短時間のうちに温度を降下させることが難しいとされていました。
このような重労働を軽減し、円滑な酒造りを進める方法はないだろうか、という考えのもとに生み出されたのが弊社の「サーマルタンク®」です。
第1号機は昭和60年に誕生し、以来「サーマルタンクⓇ」は全国の蔵元様に愛され、お陰さまで現在大小あわせて約4000基の納入をさせていただきました。
サーマルタンクⓇは冷媒ガス循環方式または冷媒液循環方式のタンクと冷却装置が一体化された「冷却装置付タンク」です。
標準型には省電力タイプの小型冷凍機を搭載しており、ランニングコストの低減を可能にしております。
また特殊型を除き工場での完全組み立てですのでタンク搬入・据付後はすぐにお使いいただけます。(7000Lを超えるタンクは現地での一部組み立て必要)
日本酒はもちろん、食液や果汁、各種調味液などの製造・貯蔵に幅広くご利用いただけます。
またタンク内には露出物がないので洗浄も簡単に行えます。
昨今では蔵元・ワイナリー等の製造メーカー様以外に料飲店・小売店様の店頭における量り売りや試飲販売などにもお使いいただいております。
タンクの材質はステンレス・ライニングなど。(ご相談ください)
また特に最近は蔵元様にあるタンクを「サーマルタンクⓇ」としてリニューアルするお仕事のご用命が増え、納めさせていただいたお客様からは大変歓ばれており、私どもも嬉しく存じております。
「そこにあるものの命を活かす」ことは現代社会においてとても重要なことと認識しております。
「このタンクはまだ使えそうなんだけど・・・・・」と思えたならどうぞお気軽にお声掛け下さい。